続『こりとうつ』

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続『こりとうつ』

青樹整体研究所所長
ウエルネスアカデミー理事 青樹和夫

2018/1/1


筋肉のこりは誰にでも生じますが、特にうつ病の人にはほぼ全員にみられる症状です。
筋肉は体中に広く分布していて、冷えたり、使い過ぎたり、悪い姿勢や片寄った体の使い方をしていたり、逆に固定して動かさなくても、またじっと寝ているだけでも縮んで固まります。力を抜いていても筋肉が固い状態であれば、これをこりといいます。

中でも全身の筋肉を強いこり状態に導くのが実はストレスなのです。 ストレスが原因で全身の全ての筋肉がカチカチに固まり、強いうつ状態になることもあります。 身に迫った危険を感じた時に生じる闘争逃走反応は、ストレス状態でも生じます。 血圧や心拍数を上げ、内臓の血液まで動員して筋肉や脳への血流を増やし、筋肉を緊張させ、闘うことや逃げるための備えをします。 この筋肉の緊張は全身の筋肉に及びます。

心配、不安、迷い、疑い、怒り、あせり等の心理状態は、既に身体はストレス状態にあることを示しています。 ストレスの結果として筋肉が緊張し、筋肉の緊張が続くことでこりが生じ、こりが原因となって脳がさらなるストレス状態になるという悪循環が始まります。その結果、頭痛、腰痛、背中の痛み、肩こり、目の疲れや痛み、睡眠障害、食欲低下、便秘や下痢、頭痛、気分障害等が生じ、やがてうつ状態となり、この状態が長期に継続することでうつ病へと進行するのだと考えています。

これが長年にわたりうつ病の人達の観察を通して感じていることです。 一旦できてしまったこりは徹底的にほぐさない限り、いつまでも、何十年でも続くことがあります。以下自分自身でほぐす方法をご介します。

①「豆状骨を使ってほぐす」

手のひらを反らせると手のひらの小指側の一番下に豆状の骨(豆状骨)があります。 この骨を使うとピンポイントで固まった筋肉をほぐすことができます。 痛気持ち良い程度の強さを加えながら細かい動き(回す、縦方向や横方向に動かすなど)で特定した筋肉をほぐします。 ほぐれるまで日数がかかっても、くり返し行います。 首の筋肉は、手の三本の指(人差し指、中指、薬指)を合わせてほぐすと効果的です。

②「小型のペットボトルを使ってほぐす」

市販の乳酸菌飲料の手のひらにすっぽり入るサイズのペットボトルは握り方を工夫して行えば、優れものの道具になります。 ①と同様の動かし方で特定した筋肉をほぐします。

②と③は入浴時に洗い場で石鹸をぬった状態で行えばとても楽にほぐすことができます。