ウエルネス手帳をつけよう

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ウエルネス手帳をつけよう

帝京科学大学教授 河原井昌裕
2018/2/1


家電量販店の健康家電売場には多種多様の健康計測機器があります。ウエルネスコラム読者の皆様は健康管理の意識が高く、いろいろな計測機器を購入されて健康維持・増進に活用されていると思います。

健康管理には、体重管理を上手にすることが重要であることはよく知られています。毎日の体重計測からウエルネス手帳をつけましょう。体重を管理する指標にBMIがあります。BMIはBody Mass Indexの略で体格指数を表し、「体重÷身長÷身長」で計算されます。算出の際は、体重は㎏単位、身長はメートル(m)単位を用います。日本の統計2015によると、平成24年の男性40~49歳の身長と体重の平均値は、各々170.9㎝、70.5㎏です。BMIは、70.5÷1.71÷1.71=24.1と算出されます。日本肥満学会の肥満度判定基準では、BMI 18.5~25未満は普通体重、BMIが25以上の場合を肥満と定めていますので、健康体重の範囲にあります。また、理想体重とか適正体重ともいわれる標準体重は、様々な疫学調査からもっとも疾病の少ないBMI 22を基準として算出された値としています。先の例から求めると、標準体重は、1.71×1.71×22=64.3kgとなります。

また、日本人のための食事摂取基準(2015年版)では摂取エネルギーの過不足は、「カロリー」ではなく「BMI」で判定するようになりました。総死亡率が最も低いBMIをもとに「目標とするBMIの範囲」が設定されました。18~49歳は18.5~24.9、50~69歳は20.0~24.9、70歳以上は21.5~24.9が目標とするBMIの範囲です。

まず、体重を測り、現在のBMIを求め、判定しましょう。ウエルネスライフを送るうえで、健康体重の維持は基本です。加齢にともない食事や身体活動も変わりますから、BMI の基準を参考にして、自分のライフスタイルに合った体重の維持に努めることが大切です。それには、専用の体重計で、毎日決まった時間に測り、記録することが重要です。体重の増減を認めたときは、食行動や身体活動レベルを点検し、改善事項を記録しましょう。また、血圧が高めの方は朝晩二回の血圧記録が推奨されていますが、体重も記録すると質の高いウエルネス手帳となります。ウォーキングなど運動習慣がある人は、歩数計や活動量計の数値も記録するといいですね。定期健康診断を受けている人は、健診結果も記録しましょう。大事なことは数値の増減に一喜一憂するのではなく、継時的な変化に注意することです。まず、ご自身のBMIを判定することからスタートし、体重が増加傾向にあるときは食生活や運動習慣を見直し、早めに改善していくことが大切です。

さあ、始めましょう。