無駄はむだでは無い・ウエルネス的"むだ"のすすめ

無駄はむだでは無い・ウエルネス的"むだ"のすすめ
ウエルネスアカデミー理事 辻 理
2017/2/1
私達は、日常"むだ"を省いて効率的に事を行おうとする習性があります。
この場合の無駄とは、短時間で効果的に作業をする為とか、物作りにおいて生産性を上げる為に無駄を省く。辞書で無駄とは、役に立たないこと。それをしただけのかいがないこと。また、そのさまを言います。無益と同じです。「むだな金を使う」「時間をむだにする」「むだ口」「むだ飯食い」等など。
だが、私達の生活の中、特に人間が生きていくためには、その無駄が重要なのです。
私の言う"むだ"とは上記辞書的解釈のむだではありません。人間生きていくためには先ず食物を食べなければ生きていけません
【食】血となり肉となりエネルギーを生み出します。そして、寝床。暮らすところ、家が無ければ休めません。
【住】安心、安全な巣です。更に衣服が無ければ体を気候などから身を守れません。
【衣】身体の防御です。
ただ機能的にこれらの要件が満たされていれば生活が成り立つかというとそうではありません。文化的に生活していくにはそれにさまざまなオプションが付加されます。そのオプション(付録)はむだではないのです。
例えば、絵画・彫刻などの美術、音楽、文学、演劇、舞踊等は生きていくため(生命を維持する)には必要不可欠とまではいきません。が、人の生活それぞれに重要な役割を担っている部分です。それはそれぞれが機械や車で言えば潤滑油の役割を果たしております。機械も車も、潤滑油が無ければ磨滅したり、オーバーヒートして機能しなくなります。人の身体で言えばリンパ液のようなものであると思います。リンパの流れが悪くなると老廃物の排出にも支障をきたします。
このように、私達が高度機能社会、高度経済成長社会において"むだ"としてきたものの見直しが大切と思います。そのむだが心を豊かにし、今多い、企業内でのうつ病の発生の防止、自殺の予防にもなるのです。今この時代だからこそ"むだ"を見直し、むだを活かし、むだを大切にし、むだで心を満たしたいと思います。そうすると、"むだ"は無駄では無くなります。役に立つむだです。そういうむだをウエルネス的むだであると認識し、ウエルネス的むだをお勧めいたします。