トータルビューティとウエルネス

wellness-columntop2.png

トータルビューティとウエルネス

ウエルネスアカデミー理事 公文裕子
2016/12/1


ウエルネスと美意識の関連性

ウエルネスアカデミーの概念にある「人間として健やかに輝くように生き生きとした生き方」とは、年齢に関わらず心の豊かさ、生命の尊厳を大切にした食・身体活動・休養・睡眠等、バランスのとれた生活習慣を改善し、生活の質(QOL)を高め、生涯にわたり充実した人生を送る為に自分らしいライフスタイルを目指す生き方」であります。

この基本理念を基に、益々、ウエルネスに対する認識、考え方、をもっと拡大して誰もが迎えるシニア世代を充実させていかなければなりません。 「言っても無駄」、「世代が違う」、「関係ない」、ではなく、経験から学んだことを生涯にわたり若い世代に伝える事が人間としての使命感であり、ウエルネスライフをもエンジョイ出来る事なのです。こうした意識を持ち続ける事が、心にゆとりと豊かな生活、ストレスを溜めない充実した生活環境を創りだす事が出来るのです。

誰もがきれいなもの、美しいものに触れる事、肌で感じる事が、心も気分も癒され、新しいクリエイティブな発想も生まれて来ます。 こうした美と健康意識が一体化されてこそ、心のゆとりや豊かさ、安定感、癒し感、幸せ感もプラスされ、生活面や仕事面に「美意識」と「美容効果」を取り入れ健やかで輝くような生き方にまで繋がるのです。 こうしたシニアを中心としたウエルネスライフこそが益々不可欠となるのではないでしょうか。


シニア世代にこそ必要な生きがいメイクアップ

美意識や美容法は若い世代だけでなく、シニア世代にこそ必要とされてきて、捉え方も変化してきています。

実際に町を歩けばお洒落なシニア世代にたくさん出会います。が、もっと経験や体験した事、美の文化や流行、正しいマナー等も含め、しっかり主張し、関心を持って欲しいと思います。

今やメイクアップは若い人達だけのものではありません。全ての世代の心に響く必要な生活行為の一つなのです。

今時の若い方達の、アイディア、発想力には脱帽ですが、素敵なシニア世代だからこそさりげなく振る舞える仕草、TPOに応じた経験からくるマナーや文化の違い、決まり事等、「日本人としてのおもてなし」と「思いやりの心」、「美意識」、をもぜひ学んで欲しいものです。

このように運動により海馬の容積が維持・向医療の現場や各種の福祉施設でも、メイクアップで自己認識をさせたり自分というものを取り戻し、関心を示し、周囲から注目されることで、自己意欲と自信を高めていくのです。

正に、たかがメイクアップ、されどメイクアップということではないでしょうか。


メイクアップは社会向きの顔でありコスチュームの一つ

  • 人は何かを始める時先ず周りを見渡し、それから何か事を始めます。(意識)
  • まず自分確認、位置確認から周りを意識した中で事を始めます。(興味)
  • 自分の外面美を創る化粧をする事は、自己認識を持っている証拠だからです。(願望)
  • 好感度アップ
  • 周りから注目される事、元気になれる(自信)
  • ポジティブになるという不思議な力を持つもの(社会参加)

フランスの思想家、ギュー氏はメイクアップされた顔は社会の顔であると述べています。

美容法、化粧論とは違った立場から化粧の美しさ目的は世間から見る一般的な視線に対し、本人は化粧をすることで初めて自分が何者であるかを意識して創り上げ、自ら初めて社会参加型の顔を完成させることなのです。

これに対して美容の立場から考えると化粧により外面が美しくなることで自らが喜び、満足感、精神の高揚と共に、楽しみが表情を通して内面美(心)にまで直結し、前向きな姿勢や生き方まで、自信となり生き方にも良い影響を与えていく自分自身の為のものです。 いずれにしても両者とも化粧の行為一つが本人のみでなく、本人の生き方に関連して社会の顔として認識されていくマナーの一つである事、社会向きの顔である事、コスチュームの一つであることには変わりがないということです。


化粧療法と効果

山野美容芸術短期大学における美容と福祉の課外授業では毎年、学生達を募りボランティア活動を多く体験してきました。学生にとっても社会人になる前の貴重な体験活動として多大な成果がありました。

その中でのアンケートからメイクする前後の心理と変化をまとめてみました。

*自己効用として

化粧をした後の気持ちはどんな状態ですか?

  1. 癒される(リラックス)
  2. 自分に自信がもてる
  3. 自分を認知する
  4. 気分がよい
  5. 人に会いたくなる(前向きになる)
  6. 満足感
  7. 喜び、楽しみ
  8. 精神の高揚
  9. 心の充実感
  10. 出かけたくなる
  11. 行動力(何かをしたい気持ちになる)
  12. 満足感、安心感
  13. 身だしなみとしての再発見

*他者からの効用として

  1. 社会的参加意識(前向き)
  2. マナー・エチケット
  3. メイク効果による良い雰囲気づくり
  4. 楽しみ
  5. 美しさは健康美
  6. リラックス
  7. ストレス除去
  8. 心の充実感
  9. 華やかさが増す(輝き)
  10. センスアップして見える
  11. 明るく元気に見える
  12. イメージアップ(チェンジ・表情美アップ)
  13. 所作の変化
  14. 自己意識を持つことの大切さ再発見

このように美容とは幅広く定義すると頭部、顔、肢体も含めて全身の容姿を健やかに美しく整え、より自分らしい美しさを表現し楽しむ事で満足感と共に、癒しになります。

またその変身した姿を周囲も気付き、関心を示し、注目され益々、自己意識と自信を高め、気分も活性化されポジティブになります。こうした化粧の本質こそが心身のメイクアップであることをご理解していただけたると思います。