ストレスとウエルネス

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ストレスとウエルネス

帝京科学大学教授 河原井昌裕
2016/10/1


平成27年12月1日にストレスチェック制度が施行され、年1回実施することが義務化され、第1回の実施期限が迫ってきました。 本制度は、労働者の仕事によるストレスの程度を把握し、労働者自身のストレスへの気づきを促すとともに、職場環境の改善につなげ、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的としています。

ストレスチェックには自記式質問票を用います。 国は「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域に関する質問57項目から成る「職業性ストレス簡易調査票」を推奨しています。 各質問に対する回答肢(4段階)を得点化し、ストレスの程度を評価します。

私も試してみましたが、質問項目が多く、また同じような質問が続いたりしますので、最後までしっかりと回答するには時間がかかるということと、回答する際の気分状態によっても結果が大きく変わるのではないだろうかと思いました。

特定健康診査(メタボ健診)では、腹囲、血圧、血糖値、血清脂質異常を客観的に量的に評価して診断します。 診断結果から、次年度の健診に向けて具体的数値目標が立てられます。

ストレスチェックにおいても、質問紙による主観的・質的評価に加えて、ストレス状態を定量化できる客観的診断指標が望まれます。

現代社会はストレス社会ともいわれ、ストレスは心や身体に不快な状況をもたらし、多くの疾患にも関わるので好ましいものではないと考えられています。 しかし、ストレスに対する生体の反応は、人が生活環境や種々の刺激に対して適応するために必要な反応としてとらえられますので、その人により大きく変わります。

ストレスは人生のスパイスとも言われ、ストレスがないことがストレスとなるとも言われています。 ウエルネスライフを送るためにはストレス刺激にどう対処していくかが大切です。ウエルネス度チェックを活用して心身のバランスを保つように努めましょう。